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【報告】ZOOM「やさしい日本語」の動画を見て話しをする会

「誘いを断る」「飲みに誘う」の動画を見ました。とくに「誘いを断る」について、日本人会員と外国ルーツ会員が、ほかの会話例を考えました。学習者の日本語と日本語母語話者の日本語をくらべて、日本語のどこが難しいか、について考えました。

日時 2023年10月7日(土)14:00~16:00

会場 ZOOM
内容 昨年開催した研修の講師である野田尚史先生の紹介文にある『日本語教育のためのコミュニケーション研究』(株)くろしお出版、という論文集に記されているような視点を使って、やさしい日本語のビデオで紹介されている、普通の日本語とやさしい日本語の会話を聞いたり、他の会話例を挙げたりして、日本語の特徴について考えました。グループ活動で、どのように誘いを断るかについて、日本語学習者中心のグループと、日本語母語話者中心のグループに分かれて、それぞれ会話例を考えて発表しました。言い方の違いについて比べました。
日本で失礼になる断り方には、どのようなものがあるかを考えました。フィラーや終助詞、状況や断る理由を数回に分けて伝える、などの日本語の特徴を、学習者にとっては、使いにくく難しいということを再認識しました。断るときの会話の組み立て方についても考えました。話の組み立て(例:断るとき、興味を示す・理由を言う・謝る・あいまいに断る・はっきり断る、など)では、清水崇文先生の著書である『中上級学習者のためのブラッシュアップ日本語会話』スリーエーネットワークを参考にしました。
感想 映画に誘われたとき、その人と一緒に行きたくない場合は、どのように断りますか?という課題について、ミャンマー語では「あなたとは一緒に行きたくないです」とはっきり言うことがあります、という意見がでました。言語や文化による言い方の違いについて勉強になりました。日本では親しい関係であれば、そのように言う状況もあるかもしれませんが、初めてどこかに一緒に行くことを誘われた場合には、個人差や状況にもよるとは思いますが、「あなたとは一緒に行きたくないです」のようなはっきりとした言い方は、しない人が多いのではないでしょうか。日本語ではまず、「あなた」も失礼になることが多いため、めったに使いません。
日本語母語話者から、フィラーや、言いさし、を使った「いや~、行きたいんですけど。。。」の感情をこめた会話例の発表もあり、臨場感がありました。今回のイベントは、いわゆるやさしい日本語を学ぶというよりは、コミュニケーション的視点で日本語の特徴を一緒に考えるという主旨で行いました。このようなイベントも、日本語母語話者と外国ルーツのかたの相互理解につながると思います。
参加者 11人 日本人会員  5人 外国ルーツ会員  5人
    日本人非会員 0人 外国ルーツ非会員 1人
参加者 16人
(日本人会員 9人 外国人ルーツ会員 6人)
(日本人非会員0人 外国ルーツ非会員 1人)
課題例 映画に誘われました。
その人と一緒にどこかに行きたいです。
でもその映画は見たくありません。
何と言いますか?(※書かれていない状況は自由に設定してください。)
【日本語学習者の例】
行きたいですが、映画はホラー映画ですね。
ホラーは苦手なので、他の映画はどうですか?
ふたりで相談して決めたいと思います。
一緒に選びましょう。

【日本人母語話者の例】
ごめんなさ~い。。。
じつは、わたしその手の映画は苦手なので、かわりに一緒にコーヒーでも飲みませんか?
(難しいポイント)
・ありがとうではなく、ごめんなさいを使った。抑揚による感情表現。
(「誘ってくれてありがとう」は、言い方次第では距離感が縮まらないことも。)
・「じつは」の使用。ネガティブな発言をやわらげ、自己開示で関係を深める。
・慣用表現「その手の」。

【やさしい日本語例】
うれしいです。でもホラーは苦手です。映画ではなくカフェに行きませんか?

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