おしらせ

多文化共生の視点  会長 森 正晴

多文化共生の視点          会長 森 正晴

大岡信さんの「言葉の力」という文が、中学校の国語の教科書に掲載されています。
「美しい桜色に染まった糸で織った着物を見て、桜の花びらを煮詰めて色を取り出したものだろうと思った。しかし、実際は桜の皮から取り出したのだった。春先、もうまもなく花となって咲き出てようとしている桜の木が、花びらだけでなく、木全体で懸命になって最上のビンク色になろうとしている。
花びらのピンクは、幹・樹皮・樹液のピンクであり、
ほんの先端だけ姿を出したものにすぎない。
われわれの限られた視野の中では、桜の花びらに現れ出た
ピンクしか見えない。」と書かれています。
 このことは、人間の外見についても言えることだと思います。外見として現われているところと外見ではわからない部分を、文化の概念モデルとしてとらえた考え方があります。
外見(発言、行動)を表層文化として、その下層には、規範(常識、法、マナー)の行動文化があり、さらにその下層には、価値観(美徳、道徳、正義、信仰)の精神文化があり、さらにその下の最下層には、願い(安全、健康、愛、幸福)の共通文化があるとする「島モデル」です。海の上に違う外見の2つの島がありますが、それぞれの島には外見として現れていない部分があり、深層ではつながっている、ということです。

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