多文化共生推進について
2006年(平成18年)3月、国は初めて「地域における多文化共生推進プラン」を策定しました。
このなかで「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的差異を認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくような、多文化共生の地域づくりを推し進める必要性が増しています。」と記しています。
一方地方公共団体では、1980年代後半から「国際交流」と「国際協力」を柱として地域の国際化を推進してきており、そこに「地域における多文化共生」が第3の柱として加わったことになったわけです。
そして2020年(令和2年)9月、「地域における多文化共生推進プランの改訂」が14年ぶりに行われました。その背景には、外国人住民の増加・多国籍化、在留資格「特定技能」の創設、多様性・包摂性のある社会実現の動き、デジタル化の進展、気象災害の激甚化等、社会経済情勢の大きな変化があるとされています。
このような流れのなか、日野市国際交流協会(HIFA)では、2017年5月に多文化共生推進準備委員会を発足させ、2018年4月からは多文化共生推進委員会と改称、本格的に多文化共生の地域づくりに取り組み始めたところです。
一見すると、驚くほどの後発地域と思われるかもしれませんが、1993年(平成5年)10月の協会発足以来取り組んできた「国際交流」を柱とする地域国際化の蓄積は、「多文化共生の地域づくり」の土台として、確実に根をおろしているのです。
いま私たちの委員会では、この国で学び、働き、子育てをしている外国ルーツの仲間たちと一緒に活動することができるようになっています。これは本当に大きな財産です。
このパワーを大切に大きく育て、外国ルーツの人々の視点や多様性を活かし、「言葉の壁」「心の壁」「制度の壁」に立ち向かっていこうと思っています。
日野市国際交流協会は、「多様な文化的背景を持つ、活力あふれる日野のまちづくりの拠点」となるよう、「多くの外国人市民、日本人市民の居場所」となるよう、小さな活動を続けていきます。
多文化共生推進活動のボランティアを募集しています。
いっしょに やる人を 募集しています❤多文化共生推進委員会
委員会では 日本人だけではなく 外国ルーツの会員さんも 活躍しています。
多文化共生を 進めるために 「みんなの💛おはなしカフェ」や 「多文化を語ろう」 「大地震や大雨の時のこと」など、 いろいろな 交流会 勉強会 講演会などを 開いたりしています。
外国人や 日本人会員さんの 少しの時間 少しの力を 待っています。
役に立つことを 楽しく やりましょう。 新しい こと・人と 出会えます。
事務局に 連絡ください。 📞042-586-9511 一度 見に来て ください。
多文化共生推進の活動
日本に在留する外国籍の人は、2020年5月末時点で295万人、総人口の約2.3%、就労する外国籍の人は165万人、と過去最多を記録しています。
日野市の状況をみると、外国籍の人は2020年9月末時点で77ヵ国からの3,290人、総人口の約1.8%となっています。またこの他に、外国にルーツのある日本国籍市民も大勢いると推測されます。
国籍、民族、宗教、慣習などの違いを認め合うというのは、もちろん簡単なことではありません。異なるものを排除しようとする働きは、生き物の本能的なものとさえ言えることでもあります。
それでも「こんにちは」の挨拶の一言は、異文化間の相互理解の確実な第一歩となります。HIFAでは、そんな草の根の市民活動を行っていきます。HIFAの活動は、すべてが多文化共生推進の活動ですが、以下は多文化共生推進委員会としてのものです。
1 多文化共生の地域づくり
① 公開講演会
2017年度から毎年1回、協会が課題と感じていることをテーマに、第一人者に講演し
ていただきます。
会員だけでなく、日野市民や、テーマに関心のある皆さんが参加できるよう公開講演会と
しています。
これまで、下記の講演会を開催しました。
年度 | 開催日 | テーマ | 講師 |
---|---|---|---|
17 | 2018/1/20(土) | 「外国につながる子どもたちは、今」 | 中山眞理子 氏 東京の日本語教育を 考える会代表 |
18 | 2018/9/22(土) | 近未来のニッポンの姿~多文化共生の 地域社会を考える~ |
小山紳一郎 氏 明治大学大学院 兼任講師 |
19 | 2019/10/26(土) | 「やさしい日本語」を話しましょう | 岩田一成 氏 聖心女子大学日本語 日本文学科准教授 |
20 | 2021/1/30(土) | 日本で働く外国人労働者 | 鈴木江理子 氏 国士舘大学 文学部教授 |
② 多文化共生市民講座
2017年度から毎年1回、多文化共生を進める手がかりを求め、学びの場として講座を
開設しています。
会員だけでなく、日野市民や、多文化共生を進めることに関心のある方が参加できる講座
としています。これまで下記の講座を開催しました。
年度 | 開催日 | テーマ | 講師 |
---|---|---|---|
17 | 2018/2/17(土) | 再発見!多文化な人々が暮すまち、日野 ~多文化共生をどうやって進めるの?~ |
荻村哲朗 氏 神奈川大学法学部 非常勤講師 |
18 | 2019/1/26(土) | 異文化の中で災害弱者をつくらないため に外国人と日本人とで“今できること” |
荻村哲朗 氏 神奈川大学法学部 非常勤講師 |
19 | 2020/1/25(土) | 「地域日本語教育の展開と多文化共生社 会」共生社会を支える地域の住民として 学び、協働し、貢献するということ ~入管法の改正を踏まえつつ~ |
野山広 氏 国立国語研究所 准教授 |
20 | 新型コロナ感染症拡大のため中止 |
③ 地域ネットワークへの参加
日野まちづくり市民フェアや地域懇談会に参加しています。
④ 多文化相互理解のための交流活動
協会内外の外国人、日本人が集まり、おしゃべりする場をつくっています。
場を取り仕切るのは、外国ルーツの人。自然と心の内が吐露されるような、いい雰囲気が
できてきます。
また、協会内外の外国ルーツの方を招き、その方の地域とのかかわり方や、出身国の文化
などを紹介していただき、参加者で共有する懇談会も開いています。毎回いろいろな国の話
が聞ける、楽しい場となっています。
2 在住外国人の生活支援
① 防災・減災の活動
ⅰ 外国人のための防災・減災教室 : 防災・減災の基礎知識を外国人会員等に共有してもら
い、安全な生活を確保できるようにするため、毎年開催しています。
ⅱ 他に、災害の実相を外国ルーツの方に理解してもらうため、防災訓練の実施や、地域自
治会の防災訓練への参加をしています。
ⅲ 東京都国際交流委員会が毎年開催する災害時多言語翻訳シミュレーションに参加してい
ます。
② 多文化学習室の開催
実際的な種々の生活情報等を学ぶ場として、学習会を開催しています。
2019年度は「どうしたらいいの?プラスチックごみ ―新しいゴミ出しのルールを学習
しましょう-」というテーマで学びました。
3 各種支援活動に関する支援者研修
多文化共生の実現に向け、これから取り組んでいこうとしている支援活動について、先進団体の活動に学んだり、専門の講師の方の講座を開いたりしています。
これまで次のようなテーマで学びました。
① 「やさしい日本語」の基礎知識、実践講座
② 「東村山市外国人市民のための相談事業に学ぼう」